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期限管理のこわさ・・・

或る弁理士先生から依頼されて審決取消訴訟をすることになったときのことです。
 その弁理士先生の事務所から送られて来た審決の写しには、2002年10月7日の事務所の受付印が押してあったので、審決取消訴訟の期限は2002年11月6日とカレンダーに記載しました。

 

 しかし、念の為、安全を期して、1日前の11月5日に訴訟を提起しておいたのです。

 

 訴状には、審決謄本の送達日として、2002年10月7日と記載しておいたところ、第1回期日において、特許庁の記録によれば、送達日は10月5日、土曜日であるとの異議が出されました。

 

 そうすると訴訟提起の期限は11月6日ではなく、11月4日ということになるわけです。幸いにして、11月4日は月曜日にも拘らず振替休日であったので、その翌日11月5日の訴訟提起は、辛うじて期限に間に合っていたのでした。

 

 どうしてこういうことが起きたかといえば、その事務所では、誰かが土曜日も事務所に出ていて、特許庁からの書類送達を受けたのです。
 ところが、書類に受領印を押すようなことはせず、そのまま放置しておいたため、週が明けて、月曜日に出勤した事務員は事情を知りませんから、特に考えることもなく、10月7日、月曜日の受領印を押してしまったというわけです。

 

 注意すべきは、問題の書類を事務所が何時受領したのかという点についての証拠(送達報告書)は事務所側には残らず、特許庁の方に行ってしまうということです。

 

 以前にも似たようなことがあり、正確に何時受領したのかが分からず、特許庁に問い合せて受領日を確認したことがありました。

 

 特許庁は金曜日に重要書類を発送しますから、土曜日に事務所が開いていると、土曜日に送達されることが起こります。
 従って、そのことをちゃんと記録しておかないと、期限のミスにつながります。

 

 弁護士・弁理士にとって期限管理ほどこわいものはない、肝に命ずべきです。

 

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