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オフィスビル賃貸の「原状回復義務・保証金・更新料」

オフィスビル賃貸の「原状回復義務・保証金・更新料」➄

6.あるべき姿を求めて

 賃貸借契約の本質を考えれば、「退去時の内装一新義務」、「更新料」、「保証金の償却」等というものは、存在を許されない不合理なものであることは明らかです。
 しかし、不合理と思いつつも、テナントが泣き寝入りをしてきたために、不動産業界の前近代性がそのまま放置されて来ているのが実情です。

 最後に、虚しい結果に終わった控訴理由書末尾の叫びを、再記します。

 「現に生じた問題に対し、『泣き寝入り』することなく問題提起する者と、これに対し問題意識を共有して真摯に応えようとする裁判所の行為の積重ねによってこそ、現状を改善してゆくことができ、両者が揃って初めて、進歩・改善が図られる。よって、控訴人は、改めて、上記諸点について司法判断を仰ぐものである。」

7.本件を巡る川柳・狂歌発表!!

 原状に 回復するとは 空けること
 原状の 回復工事の 裏側で 御用業者が吸う 甘い蜜
 更新料 払ってほしいのは 借りる方
 更新料なし契約 増えて 近代化 敷金没収も そうなるべし

8.平成23年7月15日「更新料訴訟」最高裁判決

 平成23年7月15日、注目された「更新料訴訟」に終止符が打たれました。最高裁は、以下のように述べて、賃借人による更新料の返還請求を退けました。
 「賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう『民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの』には当たらないと解するのが相当である。」
 4人の裁判官全員一致の判決でした。

 下級審では判断が分かれ、特に、関西においては、革新的な判決も出されていたことから、多少の期待もあったのですが、やはり、最高裁の保守的な体質を再認識させられただけのことであり、最高裁には、画期的・革新的な判決等、期待すべくもないという感を強くする結果となりました。まるで、現状維持・現行体制維持を自らの使命と思い定めているかのようです。

 しかし、裁判所、特に最高裁は、救済を求める者にとって、「最後の砦」なのです。提起された問題に鋭く深く切り込み、問題の本質をあぶり出し、新たな視点を提起して、「さすがは最高裁」と言われるような判断を示してこそ、「最高裁」としての存在意義があるというものです。このような、あって無きが如しの最高裁は要りません。
 民間では、既に、あるべき方向である、更新料をなくす方向での動きが始まっています。

 

 

 

 

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