may や may not について。
may や may not について。
日本語の明細書の「発明の効果」のところには、「本発明によれば~することができる。」という表現が頻繁に現われ、意見書では、逆に、「引用文献のものでは~することができない。」という表現が使われます。これらを英訳するとき、恐らく、学校英語でそのように習ってきたためでしょうか、「~することができる。」は「may~」と、「~することができない。」は「may not ~」と訳しがちです。
しかし、英米人には、これらの文章はいい印象を与えないようです。
何故なら、「may」或いは「may not」は不確実さを表わし、「~であることもあれば~でないこともある。」というニュアンスになるからです。従って、「発明の効果」をいうときは、現在形で断言するのがよく、「引用文献のものは~できない。」と言いたい場合は、これも、現在形の否定文にすればよいのです。
周知のとおり、日本人は、断言を避け、曖昧な表現を好む傾向がありますが、英語で表現するときまで、結果的に、この傾向が現われてしまうようです。