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Geronimo(1993)

Geronimo(1993)

2014,12,2

武器をもってアメリカ騎兵隊に抵抗した最後のアパッチ戦士ジェロニモ(1829-1909)の物語である。

最も印象に残ったシーンは、一旦投降したジェロニモが、騎兵隊の司令官に、「何故、白人は、この広大な土地を、全部奪おうとするのか?」と尋ねる場面である。「それが、白人が神から託されたmanifest destiny であるからだ。」という答えが返ってくるか?と思っていたら、そうではなく、司令官は沈黙したままであった。やはり、一人の人間として、後ろめたさがあって、答えられなかったのであろうか?

ジェロニモは、投降・脱走を繰り返した後、1886年8月に、勧告を受け入れ、最終的に降伏し、その後は、捕虜として一生を終える。「降伏すれば故郷に帰してやる。」との約束は反古にされる。それでも、見せしめとして絞首刑にされなかっただけ幸福だったかも知れない。

彼が降伏したときの人数は34人であったとのことであるが、この34人という数字は、偶然にも、ペリリュー島で、昭和22年にアメリカ軍に降伏した日本軍守備隊の人数と一致している。アメリカ人の目から見れば、どちらも、白人に無駄な抵抗をして、最終的に降伏した野蛮人に見えたことであろう。年代的にも、僅か60年くらいの差しかない。

やりきれない感じがするのは、同じ先住民でありながら、斥候として、アメリカ軍に協力した者がいたことである。旧日本軍の将校の中にも、捕虜になった後、米軍に協力した者があったことと、良く似ている。

アメリカの建国は、先住民から、土地を大陸ごと奪ったことに始まっている。これが「正義」に反していることは、余りにも明らかである。アメリカが、常に敵を必要とし、「正義」を呼号し続けなければならないのは、ここに源があるらしい。

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