お粗末準備書面part3
お粗末準備書面part3
或る被告が答弁書で、「本件特許について、被告は無効審判を請求しているから、無効審判の審理が終決し審決が確定するまで、訴訟の中止を申し立てる。」と主張しました。
こんなことを書いていては、この人は特許訴訟の実務を知らないことがばればれです。
無効審判していようがいまいが、裁判所は訴訟の中止なんかしません。最近の実例としては、特許無効の審決が出た(当然、取消訴訟が係属)のに、知財高裁では、侵害事件の控訴事件の中止さえしませんでした。
なお、前記答弁書の事件では、審決で、4つのクレームのうちひとつだけが有効で残り他のクレームは無効とされ、幸い残ったクレームの侵害は成立していたのですが、準備手続を主宰した若い裁判官は、残ったクレームも無効になるはずとの意見を言い、全部無効になるより和解のほうがいいではないかとばかり、原告に、和解を強力に勧告しました。
特許無効に対する裁判官の意識はここまで進んでいるのが実情です。