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お粗末明細書part6:特許第3178786号

お粗末明細書part6:特許第3178786号

容器入り冷凍食品の調理方法

 

こういう特許を見ると、そもそも、特許は何の為に取るのかという基本的なことが分かっていないといわざるを得ません。

 

特許は、コンペティターを市場から排除するために取るものです。

 

ところが、容器に入った冷凍食品を電子レンジで加熱調理するのは、通常、一般消費者であり、各家庭にある電子レンジを使用して調理を行なうのですから、そもそも、侵害の事実の発見はほぼ不可能であるばかりでなく、仮に侵害されても、権利行使は、およそ不可能です。

 

従って、こんな特許を取っても、「気休め」、「飾り」になるだけです。費やした費用に対する効果は、「ゼロ」です。骨折り損というほかありません。

 

これと似た問題なのが、特許第3520138号の「塗布膜転写具及び塗布膜転写具における転写テープ詰替方法」における「転写テープ詰替方法」のクレームです。「転写テープ詰替方法」は、個人が、家庭又は職場で実施するものなので、この場合も、侵害の事実の発見はほぼ不可能であるばかりでなく、仮に侵害されても、権利行使は不可能です。わざわざ、手間暇・費用をかけてこんなクレームを作っても、骨折り損というほかありません。

 

次に、明細書の中身を見ると、請求項に、「必要により」だの、「あるいは」だの、「小さな孔」だのが堂々と存在を許されています。

 

この審査官は(こんな特許はどうせ権利行使できないのだからと手抜きしたのか)真面目に審査していない、と言わざるをえません。

 

なお、「少なくとも1つ以上」というのも変です。「少なくとも」という用語自体に「以上」の意味は含まれているからです。

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