お粗末明細書part3:特開2004-211728
お粗末明細書part3:特開2004-211728
この発明の名称は、「湿式多板クラッチ用のセパレータプレートならびにそれを備えた湿式多板クラッチ」というのですが、こんな発明の名称を書く人は、法令用語の「ならびに」の使い方を知らないということがすぐ分かります。法律文書でもある明細書を書くのなら、少なくとも、「法令用語の常識」(林修三著、日本評論社)くらいはマスターしておくべきなのです。
要約書を見ると、「図は~の正面図であって~」等と、要約書と発明の詳細な説明を混同したような書き方になっています。
また、明細書では、「側断面図」なる意味不明語があります。この語は、実際、多用されているようですが、「側面で且つ断面」というのはあり得ないのですから、こんな「ぬえ」のような語を使うべきではありません。(ちなみに、断面図といいながら、図面には、ハッチングもないという手抜き振りです。また、「A-B断面」は「6-6断面」とした方がいいのです。なお、図面の簡単な説明の文には、終わりの句点もないという有様。)
最後に、要約書及び実施例にある「アヤメ模様」というのは何のことか分かるでしょうか?調べると、「綾目(又は文目)模様」のことらしいと分かりましたが、この人は、「かたかな」は「外来語」を表すためのものであることが分かっていないのです。