ケース2:ドイツ代理人の法外・不合理な請求書
ドイツ特許の維持費が世界一高いことは有名ですが、ドイツ代理人の請求にも納得しがたいことがあります。
まず、拒絶査定を受けて審判請求したときのことですが、請求書を見ると、「審判の代理人となることについて?十万円」、「実際に使った時間に基づいて?十万円」とあったので、これでは二重請求である、定額で請求するのか実際に使った時間で請求するのかどちらか一方にすべしと申し入れたところ、怒りっぽい代理人で、そんなことを言うのなら代理人は止めると言い出し、さっさと辞任届けを出してしまいました。
当方は、その後、すぐに、別の代理人を探さなければならず、困りました。
その代理人は、ドイツでは弁理士会がそのように決めているのだから、どの代理人に依頼しても同じことだとほのめかしていました。
これに懲りて、その後は、請求書について不満をいうことには慎重になってしまいました。
次に、最近、ヨーロッパの特許事件で目立つことは、異議申立事件について、「口頭審理」なるものが設定され、代理人の出頭費用として、約200万円も請求して来ることです。
僅か1回の出頭に200万円とは、何とも法外というほかありません。
幸いにして、第1回目の事件のときは「つけ」を他人に回せる事案であったので「じっと我慢」しましたが、2回目からは、「出頭に及ばず。」と指示しています。
そもそも、技術論争を本質とする特許の審査、審判において、口頭で何か言って解決に役立つはずがありません。
じっくり考え、文章を練り上げ、文章によって担当官を説得するのですから、「口頭審理」等、全くナンセンスというほかありません。
また、現実に、出頭せずとも、提出文書だけに基づいて、特許維持の結果になっている事案があります。
なお、我が国においても、最近、審判事件等において、「口頭審理」が設定される傾向が出て来ているようですが、当事者に余計な費用をかけるだけと思われ、その意義を疑います。