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費用節減のためのお仕着せ翻訳ではだめ。

費用節減のためのお仕着せ翻訳ではだめ。

 カナダの特許事務所から依頼された国内特許出願の翻訳料の見積もりを高すぎると感じたのであろう現地代理人は、現地の翻訳会社に明細書翻訳を依頼し、それを日本特許庁に提出するように指示して来ました。しかし、自分では、翻訳の正確性をチェックできるはずがないのですから、無責任というほかありません。(現地代理人は、翻訳者が正確な翻訳だと宣誓しているのだからいいではないか、と頓珍漢なことを言っていました。)

 

 結局、当所で多大の時間を使って修正せざるを得ませんでした。

 

 そもそも、Claimが「請求項」ではなく「申請」と訳されていたばかりでなく、物の発明のクレームが動詞で終わっていたりするのですから、特許翻訳のイロハも知らない者が翻訳したことは明らかでした。

 

 特許明細書によく現れるsubstantiallyが「実質的に」ではなく「非常に」であったり、solidが「中実」ではなく「立方」であったり、generally が「全体として」ではなく、 「通常」であったり、longitudinalが「長手方向」でなく「縦方向」であったりと、散々な出来でした。特許明細書の翻訳は、かなりの年季を積まないと無理であることを再認識させられました。

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