「構成要件を充足する」は英語で?
「構成要件を充足する」は英語で?
被疑物件が特許侵害になるかどうかは、まずは、被疑物件が、クレーム(「特許請求の範囲」という日本語は変なので使う気がしなくなりました。詳しくは、「What is claimed is の意味。」をお読み下さい。)に記載された構成要件を充足するか否かの問題です。
この「構成要件を充足する」は、英語で何というでしょうか? 答えは、「readable upon ~」です。「readable upon ~」とは、クレームの文言を被疑物件に読み取ることができるということです。これを文言上の侵害=literal infringementと言います。
クレームの文言を被疑物件に読み取ることに関して、特許侵害訴訟の実務が変わったことが想起されます。すなわち、特許侵害訴訟における侵害物件の目録の 被疑物件が特許侵害になるかどうかは、まずは、被疑物件が、クレーム(「特許請求の範囲」という日本語は変なので使う気がしなくなりました。詳しくは、「What is claimed is の意味。」をお読み下さい。)に記載された構成要件を充足するか否かの問題です。
この「構成要件を充足する」は、英語で何というでしょうか? 答えは、「readable upon ~」です。「readable upon ~」とは、クレームの文言を被疑物件に読み取ることができるということです。これを文言上の侵害=literal infringementと言います。
クレームの文言を被疑物件に読み取ることに関して、特許侵害訴訟の実務が変わったことが想起されます。すなわち、特許侵害訴訟における侵害物件の目録の記載方法について、従来は、クレームの文言と対比できるように、文言をもって記載することが要求されていましたが、これが、例えば、被告の製品番号をもって特定すればよいということに変わったのです。
特許侵害事件は、まずは、内容証明による侵害警告で始まるのが普通ですが、その際、侵害物件の特定は、まさに相手方の製品番号をもってなされており、文言をもって特定することはしません。従って、特許侵害訴訟においても、侵害物件の特定は被告の製品番号をもってすればよいということになったことは、実は、本来の形に戻っただけという気がしないでもありません。
しかし、特許権の内容は、あくまで、クレームの文言で表現されるものですから、これを、文言ではなく、製品番号で特定される、例えば、機械そのものと直接対比することはできないことは明らかです。従って、請求の原因においては、従来どおり、被疑物件を文言で表現し、これをクレームの文言と対比して、文言上の侵害を立証する必要があることに変わりはありません。
(2005・9・1付記:「readable upon は readable on でもよく、 動詞形では、read upon 又は read on となります。なお、この表現は、 特許侵害の場面ばかりでなく、従来技術との関係でクレームに特許性があるか否かが問題となる場面でも使われます。例えば、「Claim 1 reads on prior art」といえば、クレーム1は従来技術を包含しているということで、クレーム1は特許性がないことを意味します。このような動詞 read の使い方は、普通の辞書には載っていないようですが、幸い、インターネット上で公開されているDELPHION社の「Patent Terms Dictionary」には 、「A Claim reads on something, if every element of that claim is present in that which it reads on. If a claim reads on prior art, then the claim is invalid.」とあり、参考になります。すなわち、クレームに記載されている全ての構成要件が、対象となる先行技術に存在している場合、「read on」という表現が使われ、その先行技術の存在により、そのクレームは無効、ということになる訳です。)記載方法について、従来は、クレームの文言と対比できるように、文言をもって記載することが要求されていましたが、これが、例えば、被告の製品番号をもって特定すればよいということに変わったのです。
特許侵害事件は、まずは、内容証明による侵害警告で始まるのが普通ですが、その際、侵害物件の特定は、まさに相手方の製品番号をもってなされており、文言をもって特定することはしません。従って、特許侵害訴訟においても、侵害物件の特定は被告の製品番号をもってすればよいということになったことは、実は、本来の形に戻っただけという気がしないでもありません。
しかし、特許権の内容は、あくまで、クレームの文言で表現されるものですから、これを、文言ではなく、製品番号で特定される、例えば、機械そのものと直接対比することはできないことは明らかです。従って、請求の原因においては、従来どおり、被疑物件を文言で表現し、これをクレームの文言と対比して、文言上の侵害を立証する必要があることに変わりはありません。
(2005・9・1付記:「readable upon は readable on でもよく、 動詞形では、read upon 又は read on となります。なお、この表現は、 特許侵害の場面ばかりでなく、従来技術との関係でクレームに特許性があるか否かが問題となる場面でも使われます。例えば、「Claim 1 reads on prior art」といえば、クレーム1は従来技術を包含しているということで、クレーム1は特許性がないことを意味します。このような動詞 read の使い方は、普通の辞書には載っていないようですが、幸い、インターネット上で公開されているDELPHION社の「Patent Terms Dictionary」には 、「A Claim reads on something, if every element of that claim is present in that which it reads on. If a claim reads on prior art, then the claim is invalid.」とあり、参考になります。すなわち、クレームに記載されている全ての構成要件が、対象となる先行技術に存在している場合、「read on」という表現が使われ、その先行技術の存在により、そのクレームは無効、ということになる訳です。)