お粗末準備書面part2
お粗末準備書面part2
準備書面part1の準備書面を書いた同じ人が、「一般に、特許権侵害訴訟においては、①まず、クレームの客観的な意味内容を確定し、②次に、客観的に確定されたクレームと侵害製品とを対比し、侵害製品が特許権の権利範囲内に含まれるか否かを判断する、という二段階の過程を経て結論が導かれるものである。原告は、本件特許のクレームの客観的な意味内容を確定しないまま、被告製品の構造につき意図的に本件特許のクレームと同様の記載をして、被告製品が本件特許権を侵害していると主張してきた。しかしながら、本件特許の権利範囲はかように広いものではない。・・・今後の審理にあたっては、上記①のクレームの客観的な意味内容を確定するという作業に集中されるべきである。」と書いています。特許発明の「技術的範囲」の意味も知らない人が、「技術的範囲」の認定のあり方について、「教え」を垂れているのです。
しかし、特許庁の審査を経て成立した特許発明のクレームは、殆どの場合、客観的な意味内容は自ずから明らかですから、上記①の「クレームの客観的な意味内容を確定し」というのは、一体何が言いたいのか理解不能です。この人にとっては、そのような特別な作業が必要になる、としか読めません。
さらに、「以下、特許法第70条第2項の規定に従い、本件各特許権の技術的範囲を、明細書に記載された『発明の詳細な説明』の記載と図面に基づいて解釈する。」と宣いました。
ここでは、「技術的範囲を解釈」するとのことですが、特許法第70条第2項によれば、解釈されるのは、特許請求の範囲に記載された「用語の意義」であり、「技術的範囲」が解釈されるのではありません。
この人にとって「技術的範囲」とは、特許庁に説明するものであったり、「解釈」したりするものなのだそうです。