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お粗末明細書part4:特開2005-36980

お粗末明細書part4:特開2005-36980

油を局所的に供給するスロットを有する摩擦材料

 

 請求項2に「・・・実質的に涙滴の形状又は実質的に鳩の尾形状を有する、摩擦材料。」とあるのですが、機械関係の技術分野のクレームで、「涙滴の形状又は鳩の尾形状」という記載は初めて見ました。まるで小説に出てくるような情緒的表現です。意味不明確、との拒絶理由がかかるのは必定でしょう。

 

 請求項4は「摩擦材料の第一の縁部から第一の角度で伸びる第一の半径方向に伸びる側部を画成し、摩擦材料の第一の縁部から第二の角度で伸びる第二の反対の半径方向に伸びる側部を更に画成する」というのですが、説明中にも、図面を参照した記述がないため、何を言っているのかさっぱり分かりません。「伸びる」と「延びる」の使い分けもできていません。

 

 請求項5には「拭き取り部」という用語がありますが、摩擦板関係の技術分野において「拭き取り部」とは何のことか理解できません。

 

 請求項19の「摩擦材料の供給部を摩擦部材に配置する」における「配置する」とは、「どのような位置関係に置く」ことなのか理解できません。

 

 請求項が23もありながら、図面は実質的に2つしかないというのはバランスを失しています。

 

 この明細書もアメリカ発のものなので、アメリカ人の明細書作成能力も低下しつつあると言わざるを得ないようです。

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