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12.日本人と動詞表現。

12.日本人と動詞表現。

 (2004・9・24発表)

 

 教育テレビの「日本語なるほど塾」を見ていたら、「日本人は何故動詞表現を好むのか?」の疑問に対する回答らしきものに遭遇しました。

 

 ゲストの加賀野井秀一氏によれば、『もともと日本語は「なんとなく春めいてきたなあ」というような動詞構文が中心で、「生成」や「推移」の感覚をあらわすのが得意ですが、欧米語は”Spring has come.”のように名詞構文が中心で、「春」という実体がヨッコラショとやってくるような表現をします。』とのことで、日本語が、欧米語の名詞構文の影響を受けて変わって来たのは、幕末・明治の開国以来のことであるとのことです。
 (欧米語では「酒、女、歌」が日本語では「飲む、打つ、買う」になるのも、多くの人が物の発明のクレームを今だに動詞形で表現したがるのもこれで納得です。)

 

 動詞構文中心の本来の日本語は二千年以上の歴史があるのに対し、欧米語の名詞構文は百年ちょっとの歴史しかありません。故に、動詞構文中心の言い方は、いわば日本人の遺伝子に組み込まれている表現法であるわけで、かつて、物の発明を名詞構文で書くことに抵抗を感じたのはそういうわけだったかと納得がいきました。

 

 動詞構文は、「生成」や「推移」という動きをあらわすものですから、対象を固定して分析しようとする態度には結びつきにくいのに対し、名詞構文は、対象を固定し分析しようとする態度に結びつきやすいということができます。科学技術が、まず欧米で発達したこととそのことが無関係とは思われません。

 

 やはり、科学技術的思考を育むのは名詞構文のほうだと思われます。明細書のクレームの書き方に戻れば、方法の発明のクレームは、どちらも動詞構文で書かざるを得ないので、物の発明のクレームは、これからは、欧米流に、名詞構文で書く人が多くなって行くであろうと思われます。

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