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Julie Andrews と Screw

Julie Andrews と Screw

先日、日経夕刊のコラムに、翻訳家による興味深い記事があり、それがまた“目からウロコ”の発見に繋がりました。

記事によれば、あの「サウンド・オブ・ミュージック」や「メリー・ポピンズ」で主演女優を務めた“Julie Andrews”は、「ジュリー・アンドルース」であって、「アンドリュース」ではない、しかし、日本では、最早間違った表記の方が広く認知されてしまっており、正しい表記をしても受け容れてもらえない、ということを嘆くものでした。

いつ、何がきっかけでこうなってしまったのかは分かりませんが、確かに、日本では、“rew”は“リュー”と読むものとされているようです。その証拠に、某メーカーから出されている発泡酒、“THE BREW”は、堂々と、「(ザ・ブリュー)」と併記されています。しかし、この単語は、「醸造、醸造酒、ビール、醸造する」といった意味で、発音記号を調べると、やはり、「ブルー」が正しいのです。

このことは、学校で動詞の変化というのを習ったことを思い出せば、直ぐ分かることです。動詞drawの変化は、draw(ドロー)、drew(ドルー)、drawn(ドローン)と習ってきたでしょう?

だから、映画E.T.の子役だった女優は、ドルー・バリモアで、ドリュー・バリモアではないのです。

しかし、英語は、様々な言語の寄せ集めであるという性格上、発音が時に変則的で、綴りとは違う発音に戸惑うこともある言語であることも事実です。そこで、実際「リュー」と発音する例外もあるのでは?と所内で議論になった時、「スクリュー(screw)はどうなのだろう?」という話になりました。「それは絶対“スクリュー”だ。」と全員一致して、辞書を引いてみたところ・・・何と、実は、これも、正しくは「スクルー」だったのです!ああ、知らなかった!

外国語の発音がとことん苦手な日本人・・・実は思い込んでいただけだった、という間違ったカタカナ表記が、まだまだありそうです。(ちなみに、野球の「グローブ」は、正しくは「グラブ」なので、正しい表記に統一しようという動きが一時あったのに、今では、また「グローブ」の方が幅を利かせているようです。)そして、カタカナ表記にする時点で、正しい発音に対する認識や関心が薄く、堂々と誤った独自の表記を採用してしまう辺りに、日本人の克服し難い英語嫌い・苦手意識の原点がありそうです。

weblioで発音を聴く。(リンク先のスピーカボタンをクリック。)
andrew
brew
drew
screw

2013・3・12付記: CREW(乗組員)という単語があります。この発音が「クルー」であることに誰も異論はないと思われます。しかし、これにSが付いただけのSCREWとなると、「スクリュー」でないと落ちつかなくなります。念の為、広辞苑を引いてみても、「スクリュー」でしか出てきません。恐らく、明治が始まって以来、「スクリュー」という言い方が固く根付いてしまったため、今更、「スクルー」に変えられないのであろうと思われます。一方、CREW(乗組員)の方は、比較的新しいので、「クルー」がそのまま定着したのであろうと思われます。

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