養老先生の著作
養老先生の著作(都市主義の限界、脳が語る科学、脳が語る身体、脳と自然と日本、手入れ文化と日本・・・)
養老孟司先生は、東大医学部で、約40年間、死体解剖をしてきたという解剖学の先生です。こんな経験は、並の人間には到底できません。故に、常人には見えないことが、この先生にはよく見えるのでしょう。
イギリスという国には、リチャード・ドーキンスとか、デズモンド・モリスという、人間の本質について、常人には見えない、考え付かないことを教えてくれる人がいますが、私には、養老先生は日本のリチャード・ドーキンス、デズモンド・モリスのように思えます。
この先生の本に惹かれるようになったのは、去年、「都市主義の限界」という変わったタイトルの本に出会ってからでした。
戦後、日本(ひいては西欧諸国)がひたすら推し進めてきたのは「都市化」ということであった、というのが養老先生に教えられた最大のことでした。「都市化」とは、地表を人工物で覆い尽くし、ああすればこうなるという世界に作り変え、あらゆることを人間のコントロール下におこうとすることです。
「発明」とは、まさにこの目的のために奉仕するものです。
この「都市化」は自然を排除することですから、「都市化」が進めば進むほど割りを食うのが女と子供です。何故なら、女は男より自然に近い存在であり、子供は自然そのものであるからです。
故に、「少子高齢化」は、都市化が急速に進んだことの必然の結果であるということになります。
日本では出生率が1.3台に落ち込んでいることがこの国の将来を危うくすると問題視されていますが、上には上があり、スペイン、イタリー等は、これが1.1~1.2台に落ち込んでおり、それこそ国家の滅亡に向かって進んでいると言われています。
女と子供を排除する「都市化」は、女と子供の反乱?により、自滅の道につながっているかのようです。