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日本国憲法の基本は・・・

日本国憲法の基本は・・・



「日本国憲法の基本は、日本人の生命、財産は国がこれを保障せず、旧敵国、すなわち、アメリカが保障するというところにある。」(長谷川 三千子)

「政府」の存在理由に関連して、この名言を思い出しました。これは埼玉大学の長谷川三千子先生の言を、会田雄次氏が「歴史家の立場」という本で引用していたものです。長谷川先生は、イギリスに留学していた頃、マレーシアからの留学生に、「日本は、あの植民地の憲法を何時まで守り続ける積もりか?」と聞かれて、「世界に誇る日本国憲法」に対して何ということを言うのか?ときょとんとしたという経験についても語っておられます。

憲法上、日本人の生命、財産は国がこれを保障せず、旧敵国、すなわち、アメリカが保障することになっているということは、北朝鮮による拉致被害者の会が、既に数回、アメリカに救済を訴えに行っているという事実からも思い知らされます。

この国は、こういう憲法を、記念日まで設けて祝う一方、この憲法が、実は、アメリカ軍による占領下で制定されたものであるという都合の悪い現実はなかったことにしたいためか、昭和27年4月28日の「独立回復記念日」のほうは完全に無視するという、不思議な国です。

(2003・6・18付記:福田恆存氏が、現行憲法について次のように言っていることを知り、その核心の衝き方に感銘しました。いわく、「現行憲法に権威が無い原因の一つは、その悪文にあります。悪文といふよりは、死文と言ふべく、そこには起草者の、いや翻訳者の心も表情も感じられない。吾々が外国の作品を翻訳する時、それがたとへ拙訳であらうが、誤訳であらうが、これよりは遥かに実意の籠った態度を以て行ひます。といふのは、それを翻訳しようと思ふからには、その前に原文に対する愛情があり、それを同胞に理解して貰はうとする欲望があるからです。それがこの当用憲法にはいささかも感じられない。今更ながら欽定憲法草案者の情熱に頭が下ります。良く悪口を言はれる軍人勅論にしても、こんな死文とは格段の相違がある。前文ばかりではない。当用憲法の各条項はすべて死文の堆積です。こんなものを信じたり、有り難がったりする人は、左右を問はず信ずる気になれません。これを孫子の代まで残す事によつて、彼等の前に吾々の恥を曝すか、或はこれによって彼等の文化感覚や道徳意識を低下させるか、さういう愚を犯すよりは、目的はそれぞれ異るにせよ、一日も早くこれを無効とし、廃棄する事にしようではありませんか。」・・・「改めて強調するまでもありますまいが、これは明らかに押附けられて仕方無く作った憲法です。如何にも腑甲斐無いとは思ひますが、当時の実情を考へれば、情状酌量出来ない事ではない。しかし、それならそれで事情を説明して、国民の前に一言詫びれば良いと思ひます。アメリカも公式に謝罪した方が宜しい。さうすれば、吾々はさっぱりした気持で、それこそ自発的に、吾々の憲法に天下晴れて対面が出来るでせう。今のままでは自国の憲法に対して、人前には連れて出られない妾の様な処遇しか出来ません。尤も、それを平和憲法として誇ってゐる人も沢山をりますけれど、それはその人達が妾根性を持ち、事実、妾の生活をしてゐるからに他なりません。」なお、元東京弁護士会会長の故菅原裕氏が「日本国憲法失効論」を、大月短期大学教授の小山常美氏が「日本国憲法無効論」をそれぞれ出しています。国の基本法が、こういうものであってよいはずがありません。)

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