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パリは燃えているか

パリは燃えているか

2014,3,3

YOUTUBEで、日本語字幕付きで「パリは燃えているか」を見ることができた。有難い世の中になったものである。
この映画で、第二次世界大戦末期に、パリでドイツ軍との間で市街戦のあったこと、ヒトラーがパリの破壊を命じていたこと、を初めて知った。そして、次の疑問を感じた。

① パリ奪還に当たって、フランス人がドイツ軍と勇敢に戦ったことになっているが、美化しすぎではないのか?

物事を裏側から見ることに長けた、精神分析の岸田秀氏によると、フランス人が蜂起したのは、連合軍がノルマンディーに上陸して、その勝勢が明らかになってからのことに過ぎないという。

また、ドイツ軍に占領されて以来、ドイツ軍に協力したフランス人は多く、ユダヤ人迫害の手助けもしたという。

この映画は、フランス人の、このような恥ずかしい過去を隠蔽し、自己欺瞞を助けることに寄与しているのではなかろうか。

② フランスは、ドイツ軍に攻め込まれてから、僅か35日で、パリ陥落という惨敗を喫している。

それ以来、4年以上、占領されていた訳である。

ドイツ軍の侵攻は、「電撃作戦」と称され、戦車を主力とする機械化部隊と航空兵力の活用が目覚ましかったらしい。

しかし、当時のフランスの国内事情と、ドイツ軍の侵攻を描いた映画には、出会ったことがない。

真珠湾奇襲作戦については、多くの映画があるのに、これは不思議なことである。

ドイツにとっては栄光であっても、フランスには耐えがたい屈辱であるので、映画にはさせないという、何らかの圧力が働いているのではなかろうか?

③ 第二次世界大戦が終わると、フランスは、戦勝国気取りで、ベトナムに舞い戻り、再植民地化を図ろうとしたが失敗し、その尻拭いをアメリカがする羽目になった。

その結果が、アメリカの歴史始まって以来最悪の15年に及ぶ泥沼戦争からの撤退であった。

こういう二国関係は、世界的に珍しいのではなかろうか?

 

余談: 世界最強の軍隊と、世界最弱の軍隊というジョークがある。世界最強の軍隊とは、アメリカ人の司令官と、ドイツ人の参謀と、日本人の兵隊からなるものであり、世界最弱の軍隊とは、(すぐ逃げる)中国人の司令官と、(同じ誤りを繰り返す)日本人の参謀と、(すぐ降伏する)イタリア人の兵隊からなるものである、という。しかし、世界最弱の軍隊は、フランスの軍隊ではあるまいか?

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