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ケース1:商標の不使用取消で60万円!?

アメリカのメーカーが日本に商標登録出願したところ、日本の輸入代理店が勝手に先に登録していたため登録できないことが判明したときのことです。

 

 日本の輸入代理店に悪気はなかったので、アメリカのメーカーが、その商標権を買い取ることで解決することになり、輸入代理店が商標登録までに要した費用を請求書にして貰いました。

 

 それまでの経験からして、総額でもせいぜい20~30万円であろうと予測していたところ、案に相違し、100万円近くの請求額であったので、その理由を探究したところ、その商標登録をするために不使用取消審判が必要であったので、不使用取消審判のために、約70万円余分に要したということが分かりました。

 

 その頃、弁理士会の報酬規定では、不使用取消審判については、着手金30万円以上、成功報酬30万円以上となっており、これに印紙代 \55,000を加えると、不使用取消審判の総費用は70万円近くになるのでした。

 

 それにしても、弁理士会の報酬規定どおり、不使用取消審判で着手金30万円、成功報酬30万円をいただく弁理士が現実にいるというのには驚きました。

 

 何故なら、商標の不使用取消審判をするには、過去3年以上使用されていないからその商標登録は取り消されるべきであるということを書いた一枚の書類を特許庁に出すだけであり、権利者が実際に使用していなければ勝つのが当然だからです。

 

 それだけのことに60万円の報酬というのは、どう考えても無理があります。

 

 しかし、弁理士会の報酬規定どおり請求して何が悪い!という立場もあり、依頼者も納得して払うのだからいいではないか、という立場もあります。

 

 今では、弁理士の報酬は完全に自由化され、依頼者とどのように合意しようと自由になっています。

 

 私見としては、不使用取消審判については、以前から、報酬は前記金額の5分の1程度が妥当ではないかと考えています。

 

 ちなみに、経験によると、不使用取消審判の成功率は90%以上あるようで、使用されていない商標の多さを示しています。

 

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