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9.物の発明を動詞形で書くことの問題点。

9.物の発明を動詞形で書くことの問題点。

 日々、特許公報に接していると、今でも、物の発明を動詞形で書くことは花盛りであることが分かります。ここで使われる動詞は、「~を取付け」、「~を固定し」、「~を形成し」、「~を連結し」等が代表的です。

 

ところで、例えば、「~を取付け」の主語は何か?と考えると、この文には動詞と目的語はあるのに主語がない、ことが分かります。従って、このような日本語の文章をコンピュータ翻訳にかけると、「主語がない!」と指摘され、翻訳不能になるのです。

 

しかし、日本語でも、(省略されることはあっても)本当に主語がないことはあり得ないので、さらに、隠された主語は何か?と追究して行くと、その文章を書いている人が主語というのは変だし、最後にある「~装置。」が主語というのも変(装置が、自分で何かを取付けたりするはずがない!)なので、このような文章は、結局、「~を取付け」ではなく、「~が取付けられ」という、目的語を主語に変えた受動態と同等であるということが判明します。

 

それにしても、このように、主語のない文章を平気で書き、普段は、「~が望まれる。」とか「~が急がれる。」とか、(責任のがれの)受動態表現を好む日本人が、このような場合は能動態表現を好むというのは、不思議です。

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