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映画に学ぶ

その15

 七人の侍(1954)

(2015・4・10)

 ついに、YOUTUBE で名画中の名画、七人の侍を見ることができた。利用者には便利でありがたいことであるが、著作権の管理者には、難しい時代になったようである。

 物語の始めの方で、村の長老の、侍を雇って野武士との一戦を「やるべし。」という言葉が、威厳に満ちて重々しい。この台詞から、侍探しが始まる。「べし」は、現代では殆ど死語になっており、「べき」で置き換えられている。しかし、ここで「やるべき。」と言ったとしたら、ずっこけて、失笑をかうだけである。「やるべし。」だから、いい。赤塚不二夫は、この台詞がいたく気に入ったらしく、「べし」というキャラクターまでつくってしまった。

 続く侍探しの場面に、当時、俳優座で修業中だった、仲代達矢と宇津井健が、ただ通行するだけの侍として出ている。しかし、出る時間が余りに短いので、一体どこにいるのか確認するのが難しいが、Google の「画像」検索を使うと、静止画面で、二人を確認することができる。黒沢監督に、何度もやり直しをさせられた仲代達矢は、この日のことを屈辱の一日として記憶にとどめていたが、監督も彼のことを覚えており、後に、彼は、黒沢作品の多くで、主役を務めることになる。

 「永遠の0」の主人公、宮部久蔵に、七人の侍中の寡黙の剣の達人、久蔵を重ねる人が多いようである。戦国時代の剣の達人、久蔵は、現代の空の侍として蘇ったようである。空の侍、宮部久蔵は、当時としては稀有なことに、空気の支配に逆らって、特攻を志願しない、という行動を採る。しかし、最期は、他人に生きる可能性を譲り、自らは、死に赴く。その理由は、永遠に謎のままで。

 半世紀前の大学の学園祭で、粗末なスクリーンに映されたのを見て感動したのが最初で、それ以来、10回は見ている。何度見ても、いい。

(2015・6・15付記):
 中盤での勘兵衛の台詞「他人を守ってこそ自分も守れる。おのれの事ばかり考える奴はおのれをも滅ぼす奴だ。」は、この映画の中で一番重要な台詞であるが、これは、今国会で喧しい「集団的自衛権」のことを言っているのだと気が付いた。

 「他国を守ってこそ自国も守れる。自国のことばかり考える国は自国をも滅ぼす国だ。」と理解できるから、「一国平和主義」はダメだ、「集団的自衛」で行くべきだと、訴えていることになる。

 この映画は、昭和29年公開で、丁度、自衛隊発足の年である。そして、この映画の内容そのものが、野武士の侵略に対する百姓の自衛戦争である。約60年も前に、時代の先取りをしていた、ということになる。

(2015・7・21付記):
 国宝的名画「二十四の瞳」も昭和29年の公開である。或る映画評論家が、「二十四の瞳」は真に時代が必要としていると思われる映画であるが、「七人の侍」はそうではない、という趣旨のことを言ったらしい。

 戦後の反戦平和至上主義にかぶれると、映画評論まで、こんな子供じみたことになるようである。




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