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コラムCOLUMN

5.「珍語」をつくるな!

 特許明細書を書く人の「造語能力」には、感嘆すべきものがあります。夥しい数にのぼる漢字2語からなる「特許用語」集を見れば納得です。

 しかし、時として、「珍語」も造語されます。

 特開平8−175095号は、今やオフィスでお馴染みとなったテープ式の「字消し具」に関するものです。このような「字消し具」には、通常、一対の「巻取りリール」と「繰出しリール」があります。この公報のおかしいところは、「巻取る」に対応して「巻出す」という用語を創造していることです。テープを「巻取る」とか「巻戻す」は理解できますが、「巻出す」という珍語は初めて見ました。

 次に、「幻の最高裁判決」で紹介した小林製薬は、その製品について実開平3−92716号「脇部の汗取りパット」なる出願をしています。小林製薬の代理人は、訴訟でも、一貫して、商品を「パット」と言っていました。(なお、最近、TVコマーシャルでも、パットと称しているのを確認しました。)しかし、この国で「パット」といえば「ゴルフ用語」しかないはずで、明らかに、正しい用語である「パッド」と混同しています。これは、かたかな珍語の一種です。

 ところで、「幻の最高裁判決」の後藤さんの公報では、「重合し」なる用語が使われています。「重合」というのは化学用語しか知りませんでしたが、特許の世界では、「重ね合わせる」の意味でも使われているのでした。

 これを極端にしたのが、特公昭53−36178号公報における「接合」の使い方でしょう。この発明では、接着剤等で一体にしないことが発明の特徴であるのに、接着剤等で一体にすることを意味する「接合」の語が使われているのです。この件の訴訟では、この場合の「接合」は「接し合わせる」の意味であると屁理屈をいいましたが、何とも苦しい弁明でした。

 こういう漢字の使い方をするのなら、ちゃんと送り仮名をして、「重ね合わせる」とか「接し合わせる」と書くべきです。




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